
孤伏澤つたゐ
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『極北の海獣』イーダ・トゥルペインネン 古市真由美訳 河出書房新社 #読書 #fedibird
18世紀ロシア、19世紀アラスカ、現代フィンランド。人類に絶滅させられたステラーカイギュウをめぐり、そのステラーカイギュウがまだ生きていた時代から、絶滅後「ロマン」として求められていた時代、人類が「絶滅」という言葉や現象と、自分たちが生き物を絶滅させているという自覚を持った時代、「私たち」へと辿り着く物語。
シュテラーとかベーリングとかたくさんの実在の人物の名前が出てくるから、伝記なのかな?と思うけれどそうではなくてフィクションで、歴史の中に「あったかもしれない(あっただろう)」人々の高揚や葛藤が描かれているのがとてもおもしろかった。
これは別の本で読んだのだけど、かつてキリスト教圏のひとびとは、動物や環境というのは神が人間のために整えたから「使ってもいい」と思っていたらしい。だから絶滅という現象が起こるとは夢にも思っていなくて…。その頃の時代というのは、ツバメは冬になると海の中で過ごしているとか、現代からみたら荒唐無稽な「科学」の時代ではあったんだが…「絶滅」を知った時だって「とにかく標本を作ること」が「最先端の科学」だったりとかする「過去」から、→